夏だけのものだと思っていた日焼け止めは、調べてみると、季節に関係なく使う人も多いようです。そして、肌のことは、日焼け止めだけでなく、毎日のお風呂やタオルの使い方などとも関わっていました。日焼け止めの基本と、日々の習慣をまとめます。

まず、紫外線とは何か
MSDマニュアル家庭版の「日光と皮膚障害の概要」では、紫外線はUVA、UVB、UVCに分けられていました。日焼けは主にUVBによって起こり、UVAは皮膚の早期の老化やしわに関係する、とされています。紫外線の強さに、安全といえる基準値はない、という記述もありました。
太陽の光に含まれる、目に見えない紫外線の種類です。UVBは、主に表皮に作用して、赤みや日焼けを起こします。UVAは、雲や窓ガラスを通り抜けて、肌の奥まで届きます(資生堂の資料より)。
資生堂の資料(2014年)では、地表に届く紫外線の約9割がUVAとされています。また、MSDマニュアルには、ガラスや厚い雲はおおむね遮るが、薄い雲や霧は通すので、曇りの日も注意が必要、とありました。
日焼け止めは、対策のひとつ
環境省の「紫外線環境保健マニュアル2008」では、紫外線を浴びすぎないための対策として、次の6つが挙げられています。日焼け止めは、その中のひとつです。
- 紫外線の強い時間帯を避ける(正午前後が最も強い)
- 日陰を利用する
- 日傘を使う、帽子をかぶる
- 衣服で覆う
- サングラスをかける
- 日焼け止めを上手に使う(顔など、衣服で覆えない部分に)
日焼けをしてからローションなどで手入れをしても、ひりひりした痛みを押さえる程度で、長期的な予防にはなりにくい、とも書かれていました。浴びすぎないことが大切、という考え方です。
SPFとPAの数字は、何を表すのか
日焼け止めのパッケージには、SPFやPAという表示があります。環境省のマニュアルによると、SPFはUVBを防ぐ指標で、日焼け止めを塗った場合と塗らない場合で、肌がわずかに赤くなるまでの紫外線の量を比べた値です。PAはUVAを防ぐ指標で、「+」が多いほど、防ぐ効果が高くなります。
SPFは、赤くなる紫外線(UVB)を防ぐ度合いを表す数値です。PAは、肌の奥に届く紫外線(UVA)を防ぐ度合いを、「+」の数で表したものです。
PAの「+」の数は、資料によって違っていました。2008年版の環境省のマニュアルには3段階と書かれていますが、資生堂の資料には、2013年1月から4段階が認められるようになった、とあります。表示は、制度の改定で変わることがあるようです。
選び方については、環境省のマニュアルに、日常の買い物や洗濯物干しなら、それほど高い数値でなくてもよい、炎天下のスポーツや海水浴などでは、高い数値のものを選ぶ、汗をかくときや水に入るときは、耐水性の高いものを選ぶ、とありました。
塗る量と、塗り方
環境省のマニュアルでは、顔に塗る量の目安は、クリーム状なら、パール粒2個分、液状なら、1円硬貨大2個分とされています。資生堂の資料でも、手のひらに適量をとり、額、鼻、両頬、あごの5か所に少しずつ置いて、顔全体になじませたあと、同じ量をもう一度重ねる、と紹介されています。

塗るタイミングは、外出する前です。塗り直しは、汗をかいたり、タオルで拭いたり、手や衣服にふれたりすると落ちるので、2〜3時間おきがよい、と両方の資料にありました。塗り残しやすいところとして、資生堂の資料には、髪の生え際、眉間、フェースライン、首とうなじ、耳と耳のうしろ、小鼻のわきが挙げられています。
日焼け止めの種類で、気をつけたいこと
環境省のマニュアルでは、日焼け止めに使われる成分として、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2種類が紹介されています。選び方の詳しい話は、別の記事で調べますが、ここで一つだけ触れておきます。
紫外線を防ぐために、日焼け止めに配合される成分のタイプです。環境省のマニュアルでは、白く見えやすいか、アレルギーの起こりやすさはどうか、という点が違うと説明されています。
同じマニュアルには、紫外線吸収剤は、白くなりにくい一方で、まれにアレルギーを起こすことがある。紫外線散乱剤は、白く見えることがあるが、アレルギーはほとんど起こらないとされている、とありました。肌に合うかどうかが心配なときは、使い始めに少量で試す方法があります。これは別の記事で書きます。
日焼け止めの落とし方
環境省のマニュアルでは、毎晩、石けんやクレンジング剤で、汚れと一緒に落とす、耐水性の高いものは専用のクレンジングで落とす必要がある、とされています。美的.comの記事(2024年10月)では、花王の担当者の話として、いまは普段使いの洗顔料で落とせる設計のものが主流、と紹介されていました。ただし、落ちにくい日焼け止めや、UV下地を何層も重ねたときは、クレンジングのほうがすっきり落ちる、という話もあります。
日焼け止めによって落とし方が違うので、パッケージに書かれた落とし方を、まず確認するのが確実です。
毎日の習慣:お風呂
Medical Noteの「皮膚の乾燥」では、熱すぎるお湯が、乾燥のきっかけになる原因のひとつに挙げられています。入浴後も、早めに保湿をするのがよい、とされていました。
体の洗い方については、富山ろうさい病院の看護部のコラム(皮膚・排泄ケア認定看護師、発行年月は記載なし)に、石けんをよく泡立て、泡を肌の上で転がすように洗う、ゴシゴシ洗いは肌を傷つけて乾燥を進める、石けん成分が残ると刺激になるので、しっかり流す、とありました。保湿は、入浴後15分以内を目安にする、とされています。顔の洗い方は、前の記事に書いたとおり、32〜36度のぬるま湯が基本のようです。
毎日の習慣:タオル
Medical Noteでは、過剰な摩擦も、乾燥のきっかけのひとつとされていました。顔を洗ったあとは、柔らかいタオルで、こすらずに水気を押さえて取る、という点が、美的.comと資生堂の資料に共通して書かれています。体を拭くときも、同じ考え方でよいのではないかと、私は思いました。
毎日の習慣:睡眠と、空気の乾燥
睡眠と肌の関係も調べました。皮膚科クリニックのコラムには、睡眠不足でバリア機能が低下する、乾燥や敏感肌につながる、といった説明がありましたが、根拠となる研究が示されていない部分が多く、ここでは詳しく書かないことにしました。確かな資料が見つかったら、あらためて書きます。
空気の乾燥については、Medical Noteと、先ほどの富山ろうさい病院のコラムの両方に、乾燥は肌のバリア機能が低下する原因のひとつとして書かれていました。冷房の効いた部屋は、空気が乾燥しやすい、とされています。
こんなときは
- 日焼け止めを塗って、赤み、かゆみ、ヒリつきが出たら、使うのをやめる。続くときは、皮膚科へ。
- 強い日焼けで、ひどく痛むときや、水ぶくれができたときは、皮膚科へ。
- 洗ったあとにつっぱる、肌荒れが続く、というときは、皮膚科へ。
まとめ
- 紫外線対策は、時間帯、日陰、帽子、衣服、サングラス、日焼け止めの6つ。日焼け止めは、その一部。
- SPFはUVB、PAはUVAを防ぐ度合い。日常なら、それほど高い数値でなくてもよい。
- 顔の量は、パール粒2個分が目安。5か所に置いて、同じ量を重ねる。2〜3時間おきに塗り直す。
- 夜は、石けんやクレンジング剤で落とす。落とし方は、パッケージを確認する。
- お風呂は熱すぎないお湯で、泡で洗う。タオルは、こすらず押さえる。入浴後は、早めに保湿する。
参考にした資料
- 環境省「紫外線環境保健マニュアル2008」第3章(PDF)
- MSDマニュアル家庭版「日光と皮膚障害の概要」
- 資生堂「日焼け止めの使い方」2014年1月の資料(PDF・メーカーの資料/参考程度)
- 美的.com「日焼け止めにクレンジングは必要? おすすめ&落とし方」(2024年10月・参考程度)
- Medical Note「皮膚の乾燥」
- 富山ろうさい病院 看護部のコラム「皮膚の乾燥対策」(PDF・発行年月の記載なし)
- 渋谷文化村通り皮膚科「睡眠と肌の関係」(クリニックのコラム・根拠の記載が少ないため参考程度)
※この記事は個人が調べた内容をまとめたもので、医療上の助言ではありません。効果の感じ方には個人差があります。気になる症状が続くときは皮膚科にご相談ください。

