化粧品の成分表示の見方と、医薬部外品との違い|化粧品を使ったことがない50代が調べてみた

化粧品の箱や容器の裏には、小さな文字で成分がずらりと並んでいます。「医薬部外品」と書かれたものもあれば、書かれていないものもあります。化粧品を使ったことがなかった私には、この文字が何を意味するのか、全く分かりませんでした。

そこで、日本化粧品工業会の解説や、厚生労働省の通知などを読んで、分かったことをまとめました。

用語メモ|日本化粧品工業会
化粧品をつくる会社の業界団体です。化粧品に関する基礎知識の解説も公開しています。
容器の裏の成分表示を拡大鏡で見るイラスト。右に「化粧品」と「医薬部外品」の2つの札が並んでいる

スキンケア用品は、法律で3つに分けられている

複数の資料に共通していたのは、スキンケア用品は、薬機法という法律で、医薬品・医薬部外品・化粧品のどれかに分けられている、という説明でした。

用語メモ|薬機法
化粧品や薬などの品質と安全を守るためのルールを定めた法律です。正式な名前は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」で、以前は「薬事法」と呼ばれていました。

医薬品は、病気の診断・予防・治療に使うものです。化粧品は、身体を清潔にし、美しく見せ、皮膚や髪を健やかに保つためのもので、人体への作用がおだやかなものとされています。その間にあるのが医薬部外品で、不快感やあせも、脱毛などの「防止」や、育毛・除毛、害虫の防除などを目的とする、作用が緩和なものです。治療のための薬ではありません。

用語メモ|医薬部外品
薬機法で定められた分類の一つです。作用がおだやかで、治療ではなく「防止」などを目的とするものとされています。厚生労働大臣が指定したものも含まれます。
医薬品医薬部外品化粧品
目的病気の診断・予防・治療不快感・あせも・脱毛などの防止、育毛・除毛、害虫の防除など清潔にする、美しく見せる、肌や髪を健やかに保つ
ラベルで見る点「医薬品」であることの表示「医薬部外品」または「薬用」の表示全成分表示
表示できる効能の範囲(花王の整理)いちばん広い化粧品より広い決められた範囲の中

花王の解説(メーカーの資料のため参考程度)では、表示できる効能・効果の範囲は、化粧品、医薬部外品、医薬品の順に広くなる、と整理されていました。ただし、これは「書いてよいこと」の範囲の話です。自分の肌に合うかどうかとは、別の問題だと思います。

「薬用」と書いてあるものは何か

箱に「薬用」と書かれているものは、薬用化粧品と呼ばれ、法律上は医薬部外品にあたります。日本化粧品工業会の解説では、化粧品としての効果に加えて、肌荒れ・ニキビの予防、美白(メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐこと)などをねらった「有効成分」が入っている点が、化粧品との大きな違いだとされていました。

用語メモ|薬用化粧品
医薬部外品のうち、化粧品のように肌や髪の手入れに使うものの呼び名です。箱や容器には「薬用」「医薬部外品」と表示されます。
用語メモ|有効成分
肌荒れやニキビの予防、美白(メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐこと)など、特定の目的のために配合される成分です。医薬部外品では、その成分によって表示できる効能・効果が決められています。

また、医薬部外品は、承認を受けた効能効果を、承認された言い回しのまま表示するものです。日本化粧品工業会の広告表現のガイドライン(2020年版)には、「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」の「メラニンの生成を抑え」の部分だけを省いてはいけない、という例が載っていました。

化粧品で書いてよい効能は、56項目

では、化粧品は何でも書いてよいのかというと、そうではありません。厚生労働省の通知で、化粧品の効能として表示できる範囲は、56項目と決められています。昭和36年の通知で範囲が定められ、2011年に「乾燥による小ジワを目立たなくする」が1項目加わって、56項目になりました。

肌に関する項目には、「肌を整える」「肌荒れを防ぐ」「肌にうるおいを与える」「乾燥を防ぐ」「ひげ剃り後の肌を整える」などがあります(福岡県の資料)。ひげ剃り後の項目があるのは、男性の私には少し意外でした。

逆に、範囲の外の例として、日本化粧品工業会のガイドラインには、「肌の新陳代謝、血行を促進」「真皮の〇〇を再生します」といった表現が挙げられていました。化粧品の広告では、使えない表現とされています。

成分表示は、どう読むのか

日本化粧品工業会の解説によると、化粧品は、法律に基づいて、入っている成分をすべて書く「全成分表示」が義務になっています。書き方のルールは、厚生労働省の通知(2001年)に、次のように書かれていました。

用語メモ|全成分表示
製品に配合している成分を、すべて容器や箱に書いて示すことです。
  • 成分の名前は、日本語で書く。
  • 配合量の多い順に書く。ただし、1%以下の成分と着色剤は、順不同でよい。
  • 香料は、個々の成分名ではなく、「香料」とまとめて書いてよい。
  • 製品の中で効果を発揮しない程度にしか入っていない成分は、書かなくてよい。
全成分表示の読み方を示した図。上のほうは配合量が多い順に、下のほうの1%以下の成分と着色剤は順不同で並ぶ
全成分表示の並び方のイメージ(厚生労働省通知の表示方法をもとにした模式図。成分名は架空の例)

つまり、前のほうに書かれた成分は、たくさん入っているということです。いっぽう、後ろのほうは、1%以下の成分や着色剤の順番が決まっていないので、並び順に意味があるとは限りません。また、成分表示から分かるのは「何が入っているか」までで、「どのくらい入っているか」や「自分の肌に合うか」は、表示だけでは分からないと思います。

過去に肌に合わなかった製品があれば、その成分表示を控えておくと、次に選ぶときの手がかりになりそうです。

いっぽう、医薬部外品は、法律による全成分表示ではなく、業界団体の自主基準に従って成分を表示する、と日本化粧品工業会の解説にありました。表示のしかたは商品ごとに違うかもしれないので、箱で確認するのがよさそうです。

用語メモ|自主基準
業界団体が、法律とは別に、自分たちで決めて守るルールのことです。

商品を見るときのポイント

  • 箱や容器に、「医薬部外品」「薬用」と書かれているかを見る。
  • 書かれている効能効果が、自分の気になっていることと合っているかを見る。
  • 化粧品なら、全成分表示を見る。前のほうに書かれた成分が、たくさん入っている成分だと考えておく。
  • 「医薬部外品だから安心」「よく効くはず」と、考えすぎない。

注意しておきたいこと

医薬部外品は、治療のための薬ではありません。目的は「防止」ですから、すでに出ている肌のトラブルが強いときは、皮膚科に相談するのが先だと思います。

また、医薬部外品にも化粧品にも、合わない人はいます。腕の内側などで少量を試して(パッチテスト)、赤み・かゆみ・ヒリつきが出たら、使うのをやめてください。

まとめ

  • スキンケア用品は、薬機法で、医薬品・医薬部外品・化粧品に分けられている。
  • 「薬用」と書かれたものは医薬部外品で、肌荒れ・ニキビの予防などをねらった有効成分が入っている。
  • 化粧品の効能として書ける範囲は、56項目と決められている。
  • 化粧品の全成分表示は、配合量の多い順。ただし1%以下の成分と着色剤は順不同。
  • 成分表示から分かるのは、何が入っているかまで。肌に合うかは、試してみないと分からない。

参考にした資料

※この記事は個人が調べた内容をまとめたもので、医療上の助言ではありません。効果の感じ方には個人差があります。気になる症状が続くときは皮膚科にご相談ください。制度の説明は一般的な内容で、個別の商品の効能を保証するものではありません。表示のルールは改正されることがあります。